区長メッセージ 第58号 平成24年9月4日 防災週間に寄せて

更新日:平成24年9月4日

防災週間に寄せて    品川区長 濱野 健

区長メッセージ
東日本大震災から1年6ヵ月がたとうとしています。
区では、東日本大震災の教訓をふまえて、防災対策の見直しと強化を図り、事業を進めています。

このたび、区は東京都が進める「木密地域不燃化十年プロジェクト」の先行実施地区に選定されました。
これは、震災時に大規模火災の恐れがある木造密集地域を解消しようとするプロジェクトで、25年度にスタートする事業の対象地区として、池上線荏原中延駅を取り巻く東中延1・2丁目、中延2・3丁目地区が選ばれたものです。

この地区は、都が発表している「地震に関する地域危険度測定調査」の結果、特に火災危険度が高いとされるエリアと位置づけられています。
先行実施地区として、具体的な整備プログラムを提案していくことで木造密集地域の解消を図っていきたいと考えています。

また、同じプロジェクトにおいて、区内の都市計画道路放射2号線と補助29号線が特定整備路線候補区間として選定されました。
2つの都市計画道路は、密集住宅地を縦貫しており、これらを整備することによって交通の円滑化とともに、延焼遮断帯として木造密集地域の不燃化に大きな役割を果たすことになります。
現在、計画道路上にお住まい方や商売をされている方々にとっては大きなご不安があるかと思いますが、ぜひともこの事業の意義についてご理解いただきたいと思います。

さて、津波対策のひとつとして、6月から8月まで立会川河口部にある大井南浜町会で4回のワークショップを通して「津波自主避難マップ」を作成しました。マップの作り方を学び机上で避難マップを作成した後、実際に町を歩き、その成果を皆で共有するために発表会を行いました。
今まで頭で描いていた、あるいは考えていたことを実際に地域を歩くことで確認し、さらに問題点を発見したことは、区民の皆さまにとっても、区にとっても、たいへんいい体験、財産となりました。
今後は、こうした手法を他地区でも取り入れていただくことで、自分たちの手で作る「津波自主避難マップ」を充実させていけることと考えます。

9月1日は「防災の日」、8月30日から9月5日は「防災週間」です。この機会に、家族で防災について話し合い、避難場所や避難方法、連絡方法などを確認しましょう。
また、各地区で防災訓練が行われます。ぜひ、参加していただき、ご近所の方々とも顔見知りになっていただければ、いざという時の助け合いにつながると思います。

一人ひとりが自分自身の身を守る「自助」、地域の人々との助け合いをする「共助」、国・都・区が主体となり対応や対策を進める「公助」、それぞれがそれぞれの立場で防災対策に努めて、地域の防災力を高めていきたいと考えます。