配偶者による暴力は、個人の尊厳を著しく傷つけ、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害です。この配偶者暴力は、「配偶者」という間柄において家庭という私的な生活の場で行われるため、潜在化しやすく被害が深刻化しやすい特徴があります。

　また、近年は若い世代を中心としたデートＤＶ（交際相手など親密な関係にある相手からの暴力）も問題となっています。

　この状況を踏まえ、平成23年度から平成26年度までの4カ年を計画期間とした「品川区配偶者暴力対策基本計画」を策定し、配偶者暴力対策を進めてきたところですが、このたび、計画期間が終了し、平成27年度から平成30年度までの4カ年を計画期間とする「品川区配偶者暴力対策基本計画（改訂版）」を策定しました。

　今後は、この計画（改訂版）に基づき、配偶者暴力対策を体系的かつ総合的に推進してまいります。

基本計画では4つの基本目標と11の施策目標を定め、暴力防止対策を推進していきます。

基本目標1　暴力の未然防止と早期発見

　さまざまな機会や手段を通じて配偶者暴力やストーカー防止に向けた意識啓発を行い、未然防止、早期発見につなげます。また、デートＤＶの問題も深刻であることから、若年層や若年層を取り巻く大人に対する意識啓発に積極的に取り組んでいきます。

　施策目標1　暴力防止に向けた啓発活動の推進

　　　　　　　　　　　(1)　広報と啓発活動の推進

　　　　　　　　　　　(2)　人権教育の推進

　施策目標2　若年層に向けた意識啓発の推進

　　　　　　　　　　　(1)　若年層に向けた意識啓発の推進

　施策目標3　早期発見への取組み

　　　　　　　　　　　(1)　区民、職務関係者等との連携

　　　　　　　　　　　(2)　通報等に対する体制の充実

基本目標2　被害者の立場に立った相談の充実と支援体制の整備

　被害者が一人で悩むことなく安心して相談できるよう、被害者の状況に応じた相談機能の充実を図るとともに、自立した生活に向けて、切れ目のない支援体制づくりに取り組みます。

　施策目標1　相談機能の充実

　　　　　　　　　　　(1)　相談窓口の充実

　　　　　　　　　　　(2)　一人ひとりの状況に応じた相談の実施

　　　　　　　　　　　(3)　相談窓口の周知と情報提供

　　　　　　　　　　　(4)　相談環境の安全確保

　施策目標2　安全確保に向けた体制の整備

　　　　　　　　　　　(1)　緊急一時保護

　　　　　　　　　　　(2)　関係機関との連携

　施策目標3　情報の適切な管理

　　　　　　　　　　　(1)　被害者情報の秘守

　施策目標4　自立に向けた支援体制の整備

　　　　　　　　　　　(1)　適切な情報提供

　　　　　　　　　　　(2)　生活保護の相談

　　　　　　　　　　　(3)　住宅確保のための支援

　　　　　　　　　　　(4)　就労に関する情報提供および支援

　　　　　　　　　　　(5)　健康保険等に関する支援

　　　　　　　　　　　(6)　心身の回復に向けた支援

　施策目標5　子どもへの支援体制の整備

　　　　　　　　　　　(1)　保育・就学等の行政サービスに関する支援

　　　　　　　　　　　(2)　子どもの心のケアへの支援

基本目標3　人材の育成

　職務関係者に加え、住民票や健康保険、年金を担当する職員など広く窓口で対応にあたる職員に対して、被害者の人権、配偶者暴力やストーカー行為の特性や被害者について配慮すべき事項についての理解を深めるなど、資質の向上を図り、二次被害の防止に努めます。

　施策目標1　人材育成の推進

　　　　　　　　　　　(1)　研修の実施

　　　　　　　　　　　(2)　相談員等のメンタルヘルス対策

基本目標4　区の体制整備および関係機関等との連携

　区の体制整備を図るとともに、関係各課、警察、医療機関、地域住民代表者等からなる「品川区虐待防止ネットワーク推進協議会」を設置し、暴力の根絶を目指すほか、民間の支援団体等との連携、広域的な行政機関との連携強化を図ります。

　施策目標1　区の体制の整備と施策の推進

　　　　　　　　　　　(1)　配偶者暴力相談支援センター機能の検討

　　　　　　　　　　　(2)　「品川区虐待防止ネットワーク」の推進

　　　　　　　　　　　(3)　関係各課との連携強化

　　　　　　　　　　　(4)　苦情処理体制の整備

　施策目標2　関係機関との連携の推進

　　　　　　　　　　　(1)　関係機関による協議会の設置

　　　　　　　　　　　(2)　広域的な連携

　　　　　　　　　　　(3)　民間の支援団体との連携

　　　　　　　　　　　(4)　国、東京都、他区市町村との連携