空襲から70年 JR大井町駅前に平和の花「カンナ」を植樹

更新日:平成27年5月24日

~東京西南部の大空襲から70年 品川歴史館では絵画展と体験者による講話~

「しながわ平和の花壇」植樹式が5月24日(日)、「平和の誓い」像のあるJR大井町駅西口前の広場で行われた。この日は、東京五大空襲のうち品川区域で最も被害が大きかった西南部の空襲(昭和20年5月24日)からちょうど70年目にあたる。

品川区は、区民の願いである核兵器の廃絶と恒久平和の確立を願い、昭和60年3月26日に「非核平和都市品川宣言」を表明。これまでも、同宣言の趣旨を次の世代に伝えていくため、中学生や青少年を被爆地である広島と長崎へ派遣する「平和使節派遣事業」や大井町駅前などへの「平和の誓い」像の設置など、様々な事業に取り組んでいる。今回の植樹式は、平成26年度中学生広島平和使節派遣生からの提案で実現したもので、原爆投下から1カ月後、広島の焦土に咲いた「カンナ」を「平和の誓い」像の周囲に植樹した。

濱野健 品川区長は、「大井町を訪れた人が、この花壇を見て平和について改めて考えてくれるとうれしい」とあいさつ。カンナの植樹を提案した区立小中一貫校日野学園9年(中学3年)の井上美羽さんは、「区民一人ひとりの心に、平和の芽が根付いていくことを願っています」と、平和の花壇に込めた思いを述べた。

また、「城南空襲を語り継ぐ会」が同日、品川歴史館(大井6-11-1)の講堂で「城南大空襲展~体験者が語る・絵で見る城南大空襲」を開催し、荏原区(現・品川区)で実際に空襲に遭遇した、当時、中学1年の小島義一さん(当時 中学1年)が描いた原画を展示。また、疎開や空襲を体験した区民たちが、当時の防空頭巾や焼夷弾などとともに生きた歴史を語ったほか、『品川区史2014』の「空襲と戦禍」を執筆した山辺昌彦氏(東京大空襲・戦災資料センター学芸員)による特別講演も行われた。

空襲後の5月25日朝、疎開先から品川に戻ったという、当時、宮前国民学校5年の中野登美さん(80)は、「今でも目に浮かぶ。一面焼け野原で、地面からの照り返しが強く、ひどい臭気が立ち込めていた」と当時の光景を振り返り、「3月10日だけが東京大空襲ではない。私たちの住む品川の歴史を、次の世代にしっかり伝えていきたい」と思いを話した。

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