天王洲アイルで「アール・ブリュット展」開催

更新日:平成28年11月7日

「アール・ブリュット展 in 天王洲」のオープニングセレモニーが平成28年11月7日(月)、天王洲セントラルタワー(東品川2-2-24)で開催され、品川区民のアール・ブリュット作家、高井知之さん(22)もセレモニーに参加した。

 フランス語で「生(き)の芸術」を意味する「アール・ブリュット」とは、正規の美術教育を受けていない人たちが、独自の発想と方法によってつくり出した作品を表す。日本では、主に障害者福祉の分野から発掘されることが多く、作家には障害者が多く存在する。

 同展示会は、天王洲セントラルタワー1階と天王洲ファーストタワー(東品川2-2-4)1階で7日(月)~17日(木)の平日に開催されるほか、19日(土)には寺田倉庫「T-Art Gallery」で作品展示に加え、ワークショップやトークイベントが開催される。また、期間中は、スフィアタワー天王洲(東品川2-2-8)と東京モノレール「天王洲アイル駅」にバナー、ポスターが展示されるなど、天王洲アイル一帯が“生のままの芸術”の世界に包まれている。

 各会場には、日本全国のアール・ブリュット作家11人による作品 約90点が展示され、品川区民の高井知之さんも作品を出展している。高井さんの出展作品は、丸い太陽、三角形の山や家が描かれ、カラフルな色彩が印象的だ。これらの作品は、旅行先で見たものや展覧会図録の中で気に入った絵などをモチーフに、自宅でいつも決まった時間に描いているという。高井さんは、美術館めぐりが好きで、「お気に入りの画家は“ピカソ”」と話していた。母の尚子(ひさこ)さんは「息子はやさしさを100倍にして返してくれる。障害者は『心がやさしい』と言葉で説明しても本当に理解してもらうのは難しい。絵や演劇といった芸術活動を表現できる場を提供し、みなさんに見てもらうことが大切」と思いを語りました。

 同展示会のほか、品川区では、区立の障害者福祉施設に毎月アートディレクターを派遣し、作家の発掘、創作活動の環境設定、施設職員へのアドバイスなどを実施するなど、障害者の芸術活動支援に取り組んでいる。今後も福祉分野に限らず、障害者が、地域で当たり前に暮らすことができるように、誰もが相互に人格と個性を尊重しあい、人々の多様なあり方を認め合える「全員参加型の地域社会」の実現を目指し、様々な施策に取り組んでいく。

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