旧品川警察署品川橋交通待機所が国登録有形文化財へ

更新日:令和5年3月17日

品川橋南詰にある旧品川警察署品川橋交通待機所(南品川1-3-4)が、令和5年3月17日(金)付けで国の文化審議会から同建造物を登録するよう文部科学大臣に答申された。この後、官報告示を経て、国の登録有形文化財(建造物)となる予定。

この建物は、旧東海道の交通要所として往来がさかんな同地の安全確保のため、地域住民が中心となり、昭和4年に品川警察署品川橋巡査派出所として建てられ、後に東京府に寄付されたもの。
木造の建物ながら壁を鉄網コンクリートとすることで耐震化と不燃化を図っており、外壁のモルタルには目地を切り擬石風に仕上げている。建物側面には縦長の上下窓を設けることで、往来する人車等を視認しやすくするなど、交番としての機能性が窺える一方、交差点に面して隅切りした入口には庇付欠円アーチが設けられるなど、竣工当時流行していたアール・デコの意匠がしのばれる。

同様の交番建物は都内での残存事例が少なく、関東大震災後に耐火構造で建てた戦前の交番遺構として、また昭和初期の品川宿の景観を現在に伝えるものとして非常に貴重な歴史的建造物である。
巡査派出所としての役目を終えたあと、昭和35年からは品川交通安全協会事務局が、平成9年からは地元町会が防災倉庫として使用していた。令和2年に品川区が東京都から取得し、令和4年に改修を施したうえで、現在は南品川櫻河岸まちなか観光案内所として活用されている。

※こちらの情報は、上記日付による報道機関向けのプレスリリースを掲載したものです。現在の事業等と内容が異なる場合がございますのでご了承ください。