しながわ2020スポーツ大使 特別対談

更新日:令和4年4月1日

2018年6月27日(水)、スクエア荏原(荏原4-5-28)にて、「しながわ2020スポーツ大使 任命式&トークセッション」が開催されました。
しながわ2020スポーツ大使として、「義足のダンサー」として知られるプロダンサーの大前光市さん、元競泳選手でオリンピアンの伊藤華英さん、
ブラインドサッカー日本代表の川村怜さんの3名を任命しました。

また、トークセッションでは、京陽小学校の児童を含めた約250名の前で、品川区東京2020大会コミュニケーターとして勤務している、
元ホッケー選手でオリンピアンの藤尾香織さんがファシリテーターを務め、オリンピックに出場した自身の経験を踏まえ、
3大使に大舞台で印象に残っていることや、大会でのボランティアとの関わり等について、普段聴くことができないエピソードをお聞きしました。

義足のプロダンサー 大前光市さん 競泳元日本代表・オリンピアン 伊藤華英さん 
ブラインドサッカー日本代表 川村怜さん 女子ホッケー元日本代表・オリンピアン 藤尾香織さん

ご自身の経験

(藤尾さん)
ご自身のこれまでの経験を振り返って印象に残っていることを教えてください。

(大前さん)2016年のリオデジャネイロパラリンピックの閉会式です。
      ブラジルのマラカナンスタジアムという会場で、地球規模の大きな大会に出演できたことが印象に残っています。あれは緊張しました。
      同時に、地球規模の大きな大会ということで、「おれがやらねば誰がやる。」という気持ちになりました。
      自分自身の炎を聖火のように燃やし、地球上に届けることができると思うとワクワクしました。
      地球上の人類に届いたと思いますし、品川区の皆さんにも届いてるはずです!
      今後もその炎を消さないように僕も燃え続けますし、みなさんも燃えていきましょう!

(伊藤さん)私は2008年の北京オリンピックと2012年のロンドンオリンピックに出させていただきました。
      初めての北京オリンピックに出た時は自分で緊張していることに気づかないくらい緊張していました。
      オリンピックに出た時には「みんなにオリンピックに出場して体験してほしい」と思いました。それくらい素晴らしい経験でした。
      出場するのはなかなか難しいことですが、競技者として行くことだけではなく、関わる人みんながオリンピック・パラリンピック
      の一員だと思っています。
      今日ここにきている子供たちみんなもいろいろなことを見て、体験してほしいなと思います。

(川村さん)僕の場合、2013年に初めて日本代表に選ばれたデビュー戦でブラジル代表と試合をした時のことです。
      当時のブラジル代表は世界大会を4連覇している世界最強のチームでした。
      そこで、僕が日本人として初めてブラジル代表からゴールを決めた瞬間がすごく印象に残っています。

トークセッションの様子


各大使への質問

(藤尾さん)品川区在住の大前さん、外食はしますか?また、品川区でのオススメのお店を教えてください。

(大前さん)外食します。むしろ、ほぼ外食をしています。
      僕は東京に引っ越してきて1年しかたっておらず、品川区の歴というものがそんなに長くないので、
      逆に皆さん品川区でオススメのお店を教えてください!


(藤尾さん)海外の選手との交流により学んだこと、皆さんに伝えたいことはありますか。

(伊藤さん)オリンピック憲章の中にオリンピック精神(オリンピズム)というものは国際交流をすることがとても大事だと書かれています。
      
私も15歳の時から海外遠征などにたくさん行き、たくさんの海外の選手たちと交流を持ち、たくさんの価値観と出会いました。
      
日本では正しいことが海外では正しくなかったり、いろいろな考え方があることを学び、彼らから様々なアドバイスをいただき、
      私の人生を豊かにしてもらいました。
      ここにいるちびっ子たちもいっぱい友達を作って交流を行ってください。


(藤尾さん)ブラインドサッカーによって、研ぎ澄まされたこと、磨かれたことはありますか。

(川村さん)一番は音の"感覚"です。僕自身、視覚障害でサッカーも日常生活も音を頼りにしていますが、
      特別聴力がいいというわけではなく、たぶん皆さんと同じくらいです。
      しかし、音に対しての敏感さは優れていると思います。
      ブラインドサッカーは音の鳴るボールを使って競技を行いますが、音のコントロールであったり、聞き分け、
      いかに自分がほしいタイミングで音の情報を得られるかというところはブラインドサッカーを通じて日常生活でも
      生かされている部分が多いと思います。


(藤尾さん)品川区で開催されるビーチバレー、ホッケー、応援競技のブラインドサッカーをダンスで表現してみてください。

(大前さん)ダンスで3競技を表現(下写真)


(藤尾さん)ブラインドサッカーを愛する者として伝えたいことを教えてください。 

(川村さん)僕らはアイマスクをつけ、全く見えない状態でプレーをします。
      
目が見えるゴールキーパーから目が見えていない選手たちがゴールを決める瞬間は、実は見えているのでは!?というような、
      スピーディーなプレーをし迫力があります。これを、ぜひ生で見てほしいと思います。


(藤尾さん)オリンピックに出場した時、現地のボランティアスタッフ、サポートスタッフとの関わりや対応でうれしかったことはありますか。

(伊藤さん)一番印象的だったのはリオの時のボランティアスタッフの笑顔ですね。
      選手ではなく引退して、報道関係者としてオリンピックに参加して、道を尋ねた時に、
      (ポルトガル語が公用語で)英語を話せないボランティアスタッフの方が、笑顔で話してくれて癒されました。
      言語がわかる、わからないではなく、コミュニケーションしようとしてくれたこと、受け入れてくれたことがうれしかったです。
      やっぱりあいさつ、会話の時の笑顔って大事だなと思いました。
      日本人って謙虚で恥ずかしがり屋の人が多いと思いますが、外国人の方と会話をするときは顔を上げて笑顔なだけで、
      印象がだいぶ変わります。
      日本人は習慣でついお辞儀をしていまいますが、そうすると顔が見えなくなっちゃいますよね。
      海外の人は顔を伏せられると不安になってしまいますので、外国人の方とはお辞儀をするのではなく、
      笑顔を意識して顔を上げて挨拶をしてもらいたいと思います。

3競技をイメージ

東京2020オリンピック・パラリンピック大会に向けての目標

(藤尾さん)オリンピック・パラリンピックとはどのような存在だとお考えですか。
      また、皆さんの東京2020オリンピック・パラリンピックに向けての思いや目標を教えてください。

(大前さん)僕は障害者の、人としての可能性や捉え方の部分を変えていきたいなと思っています。
      障害を持っていても、いろんなことができるんだということや、人って素晴らしいということを東京の人たちだけでなく、
      日本中、世界中に伝えていければと思います。

(伊藤さん)私はもっとスポーツが身近な世の中になって、より多くの子供たちにたくさんスポーツを経験してほしいと思います。
      そして、日本でも障害を持っている人がもっと街に出てくることができる世の中になることを望んでいます。
      今、皆さんが隣にいる人達と違うように、障害を持っている人たちとも同じような違いであって、大きい違いではないと思います。
      オリンピック・パラリンピックをきっかけにスポーツを通じてみんなが共存できるような社会になっていってほしいと思います。
      まずはスポーツを好きになること。激しい運動や頑張って走ることだけがスポーツではなく、歩くこともスポーツです。
      そして、スポーツを見ること、応援することもスポーツです。 スポーツは入り口がとても広いことを覚えておいてほしいと思います。

(川村さん)僕自身が競技者として日本の勝利に貢献できるようにブラインドサッカーを追求していきたいと思っています。
      皆さんも2020年に向けて日本人同士であったり、障害者の人であったり、外国人の方であったり、
      様々な方との出会いが増えると思います。
      そして、実際に2020年のオリンピック・パラリンピックの競技を実際に見て、感動したり、勇気をもらったり、
      いろいろな感情を得た自分自身と出会えると思います。
      新たな自分自身との出会いを楽しみにしていただいて、オリンピック・パラリンピックをきっかけに皆さんの生活が
      豊かになってくれればと思っています。

品川区長との記念撮影 トークセッション後の集合写真

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