十四世喜多六平太記念能楽堂 国登録有形文化財へ

更新日:令和7年11月25日

 十四世喜多六平太記念能楽堂(上大崎4-6-9)(以下、「喜多能楽堂」という)が文化財登録に妥当するという答申が、令和7年11月21日付で国の文化審議会から文部科学大臣宛に出されました。今後、令和8年3月頃の官報告示を経て、正式に国登録有形文化財(建造物)となる予定です。区内の国登録有形文化財(建造物)は、今回登録分を含めて7件になります。

 喜多能楽堂は、喜多流十四世宗家喜多六平太を記念した常設能楽堂で、鎌倉能舞台など複数の能楽施設を手掛けた榛沢敏郎の榛沢建築設計事務所が設計し、昭和48(1973)年に竣工しました。その後令和7(2025)年に耐震補強工事を兼ねて改修が実施されました。堂内の能舞台は昭和30(1955)年に竣工された舞台をそのまま用いており、改修には含まれていません。
 建物は地上2階地下2階、構造は鉄骨鉄筋コンクリート造です。主体部外観は地上より持上げて軽快にみせ、御影石張の階段やトラバーチン貼の壁面が入口アプローチを巧みに構成しています。また、1階および2階にロビーを配するなど、内部は観客を中心に設計されている点に特徴があります。さらに改修工事によって、西面外壁の一部をガラス窓とすることで外部から内部への視認性を持たせ、北面外壁の黒色塗装によって敷地への直線的なアプローチが明確になりました。
 喜多能楽堂はこのような近代的材料を用いた鞘堂に、伝統的能舞台を内包した建築形式を持ち、造形の規範として貴重であるため、保存活用を図るべく登録される運びとなりました。

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