旧品川警察署品川橋交通待機所 国登録有形文化財へ

更新日:令和5年8月15日

品川橋南詰にある旧品川警察署品川橋交通待機所(南品川1-3-4)が、令和5年8月7日(月)付けで、国の登録有形文化財(建造物)となりました。

 この建物は、品川警察署品川橋巡査派出所として1929(昭和4)年に建てられ、地域住民から寄附されたものです。
 この地が旧東海道の交通要所で往来がさかんであったことから、地域の安全のため地域住民から交番設置が求められたのだと推測されます。
 木造の建物ながら壁を鉄網コンクリートとすることで耐震化と不燃化を図っており、外壁のモルタルには目地を切り擬石風に仕上げています。
 建物側面には縦長の上下窓を設けることで、往来する人車等を視認しやすくするなど、交番としての機能性が窺える一方、交差点に面して隅切りした入口には庇付欠円アーチが設けられるなど、竣工当時流行したアール・デコの意匠が偲ばれます。
 こうした交番建物は都内での残存事例が少なく、関東大震災後に耐火構造で建てた戦前の交番遺構として、また昭和初期の品川宿の景観を現在に伝えるものとして貴重な建物です。
 巡査派出所としての役目を終えたあとは、1960(昭和35)年からは品川交通安全協会事務局が、1997(平成9)年からは南品川の町会である櫻心会が防災倉庫として使用していました。
 2020(令和2)年に品川区が東京都から取得し、2022(令和4)年に改修を施したうえで、現在は南品川櫻河岸まちなか観光案内所として活用されています。

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