西光寺石造供養塔

更新日:令和6年12月3日

西光寺石造供養塔
            
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種別  有形民俗文化財  
指定番号  第三号
所在地  大井4-22-16 西光寺
指定年月日  昭和53年11月22日
見学  可
詳細  西光寺の本堂南側、墓地の入口にあり、無縁塔の前に並べられている。
 明暦元年(一六五五)造立の、阿弥陀如来像を彫った舟型の塔は、中央に説宝印の阿弥陀立像を半肉彫にしてある。像の上に種子(キリーク)が刻んである。砂岩でできているため、摩滅している部分が多く、阿弥陀全体の釣合も取れていない。おりつ等七名の女性の名と、妙源等女性と思われる九名の法名を刻んでいる。
 寛文九年(一六六九)造立の延命地蔵菩薩立像を半肉彫りした舟型の塔は、かなり大型である。身長よりはるかに長い錫杖を右手に、宝珠を左手に持つ。丸彫りに近く、衣文の流れも流麗である。この種の作例は近世初期に多く見られるが、欠損しやすく、このように原形に近い姿で残っているものは少なく、貴重なものである。銘文から、共に女性だけの念仏講の人々が造立した供養塔と思われる。
 この地蔵尊は、悪疫や風邪の平癒にご利益があるといわれ、付近の人々から厚い信仰を集めていた。堂内の大柄杓で病人に水をかけると(実際には、水をかけるまねをする)病気が治るといわれていた。
 他の一基は寛文十三年(一六七三)造立の阿弥陀如来像を刻んだ笠塔婆型の庚申供養塔で、搭身の正面に説法印の阿弥陀立像を半肉彫りに刻んである。大井村の人々が造立したものである。
 この三基の供養塔は、元は、いずれも鎌倉古道と伝えられる旧道に面して建てられていた倉田地蔵堂に安置されていたものである。この地蔵堂は、西光寺の境外仏堂であったが、後に廃堂となり本寺境内に移されたものである。
 いずれも江戸初期の作品で、保存状態も良く、特に明暦元年の供養塔は、石造美術の面でも優れている。
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