大井の水神

更新日:令和6年12月3日

大井の水神

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種別  史跡  
指定番号  第十三号
所在地  南大井5-14-9
指定年月日  昭和53年11月22日
見学  可
詳細  大井の台地下に当たるこの地から湧出していた地下水は、かつては、村民が飲用あるいは田畑に利用していたので、水の恩恵に感謝し、潤沢な水の供給を願って、村民によりここに水神つまり九頭龍権現が祀られた。
 祀られた時期は貞享二年(一六八五)、願主は大井村の桜井伊兵衛と大野忠左衛門といわれている。境内の正面奥に熔岩を約ニメートルの高さに積み上げて人工の石窟を造り、その中に木造の小祠を奉祀し、祭神水葉乃女命を祀っている。
 境内の石祠は、文化五年(一八〇八)に大井村の村民が寄進したもので、願主は大野貫蔵惟一(時の大井村名主)とその子惟図(のちの名主、俳人景山)らで、元禄年間に建てた石祠をこのとき再建したと、石祠の両側面に刻まれている。
 さらに、この石祠の側面には、この湧水は柳の清水と呼ばれ、日照りの時は村がここで雨乞いをしたと記していて、大井村の水に対する信仰の中心地であったことが窺える。また、当社は歯痛を止めるご利益もある、と伝えられている。
 明治以降は、祭神が水葉乃女命に変わった。昭和五十年頃までは水が湧出していたが涸れてしまった。昭和五十一年(一九七六)境内の修理・整備を有志が行い、近隣の信仰厚いものがある。
 都市化が進んだこの地域に、農村であった頃の水の供給と、それにまつわる信仰があったことを示している資料である。
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