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大井・原の水神池
更新日:令和6年12月3日
大井・原の水神池 | |
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種別 | 史跡 |
指定番号 | 第二十号 |
所在地 | 西大井3-1 |
指定年月日 | 昭和57年2月10日 |
見学 | 可 |
詳細 | この水神池と呼ばれる湧水池は、もと大井村出石・原などの集落の農家が、出荷する野菜を洗った「洗い場」の名残りを留めているものである。現在でも水が湧出している。かたわらには水神社が祀られている。水神の祠は、明治十二年(一八七九)に建てられたもので、「洗場惣連中」の銘がある。 水は、農耕や農民の日常生活に欠くことのできないものであるため、村民がその確保に神の力を頼み、水の神を祀ったものであろう。 かつて、この一帯の農村地帯に散在していた湧水を利用しての野菜の「洗い場」は、都市化に伴って消滅し、今はわずかを残すのみとなっている。 池のかたわらに、高さ一メートル程の、大正十四年に建立された、「溜井由来記の碑」がある。碑文には、この湧水が、かつては野菜など農産物の洗い場として用いられたこと、池の水は清く澄んでおり、この水神は眼の神様で眼病にきくといわれ、水を汲んで家に持ち帰る者もあり、眼病が治った者はお礼に鯉を池に放すという風習があったこと、大正十二年(一九二三)の関東大震災以降は、非常時の貯水池に利用されることになったことなど、湧水が人々の生活の中で利用されてきた経緯を記している。文末には、当時、品川用水大井内堀普通水利組合の理事長であった倉本彦五郎の、「湧き出でて尽きぬ清水は時の世を皆それぞれに恵むなりけり」という歌が添えられている。 この水神社と水神池は、住民の手により保存されている珍しいものであると共に、かつて農村であった頃の生活や民間信仰の一面を示すものとして価値がある。 |
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