法然上人坐像

更新日:令和6年12月3日

法然上人坐像 附 円光大師御真作月の輪御影略縁起

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種別  有形文化財(彫刻)  
指定番号  第二号
所在地  北品川2-2-14 法禅寺
指定年月日  昭和56年2月12日
見学  不可
詳細  ヒノキ材と推定。寄木造。頭部は前後矧ぎ、差し首、胴体は前後左右矧ぎ、手首・胸部を矧ぎ付ける。肉身・法衣・袈裟共に彩色はほとんど落ちて、素地をあらわす。玉眼、目尻を少し下げ、正面を凝視し、前頭の低い、いわゆる法然頭を示し、首太く、個性ある中老の容貌である。両手は右手を上にして、胸前で数珠を繰る姿。室町時代か、あるいは鎌倉時代に遡る佳作である。
 附の、『略縁起』は縦二五・五、長さ二七一・四センチメートルの巻子本。仮名交りの行書体。法然上人源空(一一三三~一ニ一ニ)が月輪関白九条兼実に自作の像を与え、後、これを陰陽師阿波助が奥州へ下る折に、品川の草庵に安置した。後に寺は道三河岸へ移転したが、徳川家康が太子堂を建てて、再び法禅寺と号して再興したことなどを記し、巻末に、宝永五年(一七〇八)京都知恩院の応誉の撰した奥書と名号とがある。この寺が、品川と深い関わりをもちながら、徳川家に保護されて、寺の由緒・格式を高めていたことを示している。
 法禅寺の創立は、明徳元年(一三九〇)言誉上人により開山したと伝えられているが、それより以前に品川の一草庵として存在していたことが考えられる。法然上人坐像は、そうした創立の古い寺にふさわしい由緒をあらわしている。銘はないが、小型ながら法然上人の風貌を伝えるものとして佳作である。
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