紙本着色地獄変相図

更新日:令和6年12月3日

紙本着色地獄変相図
  
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種別  有形民俗文化財  
指定番号  第十二号
所在地  北品川2-2-14 法禅寺
指定年月日  昭和56年2月12日
見学  不可
詳細  横四枚接ぎ合わせ、軸仕立。本図の内容は、中央に四人の従者を従えた閻魔王が右手に笏を持って亡者を裁き、その前では、鬼が浄玻璃の鏡や業の秤で亡者の前世の罪を調べる様相、その周囲には、亡者が灼熱の地獄等で諸鬼に悩まされる、およそ十数の場面、亡者の衣を奪う奪衣婆、武者の戦闘等が描かれている。
左下及び上部には、地蔵菩薩が、竜に責められる亡者を見つめる姿(地蔵菩薩の救済)が描かれている。
 最上部には、右に日、左に月が輝き、蓮池に臨む寄棟造りの殿堂に多数の亡者が集まり、雲に乗った阿弥陀如来が観音・勢至などの菩薩を従えて、極楽世界に迎える様相が描かれている。熟達した筆致ではないが、真摯に描かれている。
 紙背の押紙に、文政十一年(一八二八)法禅寺廿三世承誉上人の代に、田村屋清七(画号、讃系)が、自らこれを描いて奉納したものであり、世話人は芋屋三右衛門、表具寄進連名は鴻野屋三郎兵衛以下四七名その他の人々で、世話人は、「箸屋政次郎 京屋源八」との墨書がある。
 当時の品川宿の商人と思われる人々の寄進により、同じく宿内の絵心のある素人画家の手になる絵を、教化の材料として寄進したものと思われる。この時代の地域の民間信仰の資料として価値あるものである。
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