木造菩薩形坐像

更新日:令和6年12月3日

木造菩薩形坐像

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種別  有形文化財(彫刻)  
指定番号  第二十三号
所在地  南品川4-4-2 海蔵寺
指定年月日  平成31年3月28日
見学  不可
詳細  海蔵寺の本堂脇壇上に安置される。昭和初期に檀家から海蔵寺に寄進された客仏と伝えられており、それ以前の伝来は不明である。髻を結い宝冠を戴く菩薩形像であるが、如来のように偏袒右肩に衲衣を着ける。カヤ材一木造りで、頭体幹部を一材から彫成し内刳りは施さない。
 両耳及び垂髪遊離部、両脚部、右腰脇部、左袖口上半、左手首先、右手肘先など後補ないし新補箇所は少なくないものの、古代彫像ならではの存在感を発揮する本像の鑑賞を著しく妨げるものではない。
 下向きに浅く弧を描くようにあらわした目や、太い鼻梁、小さい口元は、平安時代、十世紀末から十一世紀前半の京都・滋賀周辺の作例と共通している。加えて翻波式衣文の彫りは浅いことから、十一世紀前半の製作と考えられる。これは区内でも最古級のものである。
 偏袒右肩に衣を着ける菩薩形像の類例が少なく、両手先が後補であり当初の印相を知りえないこともあって、尊名は特定できない。しかしながら、髻を結い宝冠を被り衲衣を偏袒右肩に着ける特異なかたちは、中国からもたらされながら日本では定着しなかった初期密教像の姿を伝えている可能性があり、貴重である。
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