東海道品川宿石積護岸

更新日:令和6年12月3日

東海道品川宿石積護岸
              
史跡25_東海道品川宿石積護岸.jpg

種別  史跡  
指定番号  第二十五号
所在地  南品川2-14-10
指定年月日  令和5年3月29日
見学  可
詳細  本石積護岸は、護岸法面が東を向き南北に連なっており、東海道と品川宿の家並みなどを波濤から護るために築造されたものである。地上部分は全長一五・三メートル、高さ一・七~一・九メートルを測る。
 伊豆石および房州石、大谷石から構成されており、十九世紀前半までに構築され、その後、現在にいたるまで破損と修繕を重ねながら使用されてきたものと考えられる。本護岸において特筆すべきは、近世に構築された伊豆石の裏込め部分には、土丹岩が用いられるなど、当時の土木技術を窺いうる点である。加えて伊豆石部分を後補するかたちで構築された房州石積がフランス積の様相を呈するなど、近現代における石材利用の変遷を知りうる点でもその価値は高い。
 こうした石積護岸は、近世の品川において高輪から大森にかけての東海道海岸線上に存在したが、すでにその多くが埋め立てや宅地開発によって消失している。本地点は残存する護岸のなかで最も保存状態がよく、特に近世の伊豆石積が地上に露出して確認できるのはこの地点が唯一である。
 また、五街道最初の宿場町、いわゆる「江戸四宿」のなかで海に面していたのは品川宿のみであること、かつ江戸周辺の東海道宿場町で海に面していたのは品川宿と神奈川宿のみであり、神奈川宿には石積護岸の残存事例はないことから、江戸周辺の宿場町に唯一残存している石積護岸ともいえる。海に面した近世宿場町・品川宿の特色を偲ばせる文化財として重要である。
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