品川区と屋形船「船清」が災害時協定を締結

更新日:平成24年12月21日

品川区と屋形船「船清」が災害時協定を締結
握手を交わす伊東代表取締役と鈴木防災課長伊東堅代表取締役と妻で女将の陽子さん備蓄倉庫を視察天王洲アイルをバックに船清の屋形船
12月21日(金)、品川区は株式会社 船清(北品川1-16-8)と、「災害時における民間事業者施設の使用に関する協定」を締結しました。

この協定は、災害時発生時に、屋形船等の施設を避難者の一時待機施設として、また人員・物資の海上輸送用として使用することを目的としています。

株式会社 船清は、戦後すぐの昭和24年、のり養殖事業者として誕生。その後、昭和26年に釣り船宿として再スタートし、昭和63年以降は屋形船などによる東京湾クルージングを提供しています。

また同社は、河川や運河地域で発生する船舶災害の消火や救助を行う、都内初となる品川消防団水上特殊技能班(品川消防署管内)にも所属し、日頃から人命救助を行うなど活躍しています。

協定では、災害時に区の要請に基づき、同社が保有する5隻の屋形船を、避難者等の一時待機施設として提供。
屋形船は発電機とプロパンガスを使用しており、ライフラインが途絶えたとしても一定の時間の燃料を確保していることから、トイレや冷暖房も使用でき、おおむね150人の滞在が可能です。
その他、人員や物資等を湾岸から供給する海上輸送にも、屋形船が活用されます。

同社の伊東 堅代表取締役は、「東日本大震災や都の新しい被害想定を見て、地元企業としても何かしなければと思った。屋形船は畳もあり、避難してきた人たちに元気に過ごしてもらえる。今度はその人達が、他の被災者の方たちを救う力になる。まさに、自助・共助・“近所(助)”です」と力強く話しました。
また女将の陽子さんは、「地域の方たちに、安心感を提供できれば」と微笑みました。

区防災課の担当者は「品川区は海に面している土地柄であり、海上の有効活用手段や帰宅困難者を含め、区民の皆さんのための一時滞在スペースを民間事業者の協力により確保できたことは、防災対策を進めるにあたり極めて大きなこと」と、この協定の締結による効果を語っています。
区は今後、同社の倉庫を借り、毛布や乾パンなど150人分の物資を備蓄する予定。