城南小学校で伝統工芸「草木染手機織物」授業

更新日:平成28年11月4日

藤山千春先生による「草木染手機織物」の授業
藤山さん親子による授業蚕のまゆを手に説明する藤山さん手機織機を前に説明する藤山さん糸巻き機械を操作する教わったように糸巻きに挑戦する児童染色した糸を説明する藤山さん手織物機の指導をする藤山優子さん丁寧に手織物機の操作を指導する藤山優子さん織物機械を前に説明する藤山さん
区立城南小学校(南品川2-8-21)4年生53人が、平成28年11月4日(金)、伝統工芸ふれあい教室で「草木染手機織物」(くさきぞめ てばたおりもの)を学びました。

 伝統工芸ふれあい教室は、区内の小学校高学年を対象に、品川区伝統工芸保存会の会員が伝統工芸の実演を行うとともに、参加児童に道具を使った手作りを体験してもらい、伝統の技の大切さを知ってもらうことを目的に毎年区内の8小学校で実施しています。

 この日、講師を務めたのは、品川区伝統工芸保存会の会員で、「草木染手機織物」を制作している、藤山千春さんと優子さん親子です。藤山さんは絹糸を草木染めし、その糸で着物や帯の布を織る仕事をしています。草木染めは、木の皮や根、実などの天然の植物やコチニールといった動物染料を煮出しして糸に染めたもので、その糸を機織機で手織りします。様々な色の糸から調和のとれた美しい配色を考え、着物や帯を制作するのは難しく、大変根気のいる仕事とのことです。

 授業では、最初、千春さんが草木染めの歴史の紹介から始め、教室に持ち込んだ絹糸の原料となる蚕の繭、染色に使うハンノキの実である矢車玉(ヤシャダマ)や赤い色を出すコチニール等の原材料、そして手織物に使用する小道具等の実物を手にしながら分かりやすく説明しました。
 児童たちは、「草木染手機織物」が伝統的な仕事であること、天然素材を使用していること、そして道具を使った手作りであることを学び、糸巻きと手機織りの2班に分かれて実体験です。

 糸巻きには千春さんが、手機織りには優子さんが当たりました。それぞれはじめての体験だけに目を輝かせての挑戦です。特に手機織りは難しそうです。優子さんの指導のもと、真剣な眼差しで糸を織っていきました。体験を終えた児童は「楽しかったです。でも機織りは少し難しかった」と話していました。

 最後に千春さんは、「皆さん、これからいろいろな経験をして、自分に合った仕事、自分でやってみたい仕事に挑戦してください」と結びました。