上神明小学校でウィルチェアラグビー体験教室

更新日:平成29年2月2日

講師に指導されて車いすの操作
児童を前にウィルチェアラグビーの説明ボールを手に講義する羽賀選手児童を前に講義する2人の講師初めて競技用車いすに乗る児童タックルの瞬間競技用車いす体験を応援する児童たち自己体験を話す羽賀選手質問する児童と講師最後にお礼の花束贈呈
区立上神明小学校(二葉4-4-10)で平成29年2月2日(木)、オリンピック・パラリンピック教育の一環として、パラリンピック種目「ウィルチェアラグビー」の峰島靖選手と羽賀理之選手を講師に招き、講演と実体験教室を行いました。

 ウィルチェアラグビーは、1チーム4人で競技する「車いすの格闘技」とも呼ばれる障害者スポーツです。車いす競技の中でも、唯一車いすでのタックル(衝突)が認められている激しいスポーツです。昨年開催されたリオデジャネイロパラリンピック(リオパラ)では、日本は初めて銅メダルを獲得しました。

 会場となった体育館では、児童136人と先生方、そして保護者20人が両選手を出迎えました。最初にリオパラで銅メダルを獲得した時の映像が流され、その後、2人により実演を交えて競技の概略説明がされました。
 児童全員が、生のウィルチェアラグビーを観戦するのが初めてとのことで、思った以上のスピード感や小回りが効くことに驚きの声が上がっていました。

 いよいよ実技体験です。各学年代表の14人が特殊な手袋を着けて、競技用車いすの体験にトライしました。低学年の児童にはコーナリングが難しいようです。「頑張れ」「右手を強く」仲間から声援が飛びます。講師がそっと優しくエスコートする姿も見られました。
 周遊コースを回ってホッとすると、最後に講師からタックルの洗礼です。タックルこそウィルチェアラグビーの醍醐味で、タックルにはまり競技を辞められない選手もいるとのことです。児童がOKサインを出すと、講師が正面からぶつかって来ます。手加減をしているものの「ガシーン」と金属音が体育館に響きました。タックルを受けた児童は、「ちょっと怖かったけど、衝突しても身体が痛くなることはなかった」と話していました。

 実技体験に続き、両講師から講話がありました。羽賀講師は、18歳の時にバイク事故で車いす生活なったこと、21歳でウィルチェアラグビーを始めたこと等の体験談から入り、「パラリンピック出場を目指し、一歩一歩進んだことで夢を叶えることができました」と話しました。そして、リオパラで感動したことは、メダル獲得の瞬間、開会式、お客さんの声援、とあげ、「銅メダル獲得の瞬間は、日本初のメダルだけに、選手だけでなく、監督、コーチ、スタッフ等、関係した人すべての思いがメダルに通じたとして全員で泣きました」と裏話を打ち明けてくれました。2020年の東京パラリンピックでは「銅の上を狙います。もっといい色のメダルを取りにいくために、皆で切磋琢磨して頑張ります」と抱負を語りました。

 また、連盟の普及委員も務める峰島選手は、「私はリオパラでは選手として出場できませんでしたが、現地で試合の解説をすることができました。これまでの経験を生かして日本の皆さんにウィルチェアラグビーを紹介する仕事も行っています。今までと違う道で貢献できるようになりました」と話し、「町中で車いすの人が困っていたら一声掛けてあげてください。車いすの方だけでなく、目の不自由な方でも同じです。一声掛けることによって、皆がハッピーになります」と結びました。

 競技用車いす体験をした6年生の代表児童二人は、「今日の話を聞いて、車いすの人は大変だと思いました。障害のある方の気持ちを理解することが大切だと分かりました」「車いすに乗ったのは初めてなので貴重な体験になりました。実際にパラリンピアンの方の話が聞けたのは大変良かったです」と感想を話していました。