5・24城南空襲の記憶を語り継ぐ~絵画で、映像で、証言で、それぞれの形で~

更新日:平成30年5月27日

体験を語る石井さん

映像を見る参加者 絵を見る男性 原画を確認する来場者

資料を見る男性会場の様子来場者が持参した「昭和19年平塚町会 防火訓練で」

 城南空襲を語り継ぐ会が平成30年5月27日(日)、スクエア荏原(荏原4-5-28)で空襲を描いた原画展と空襲体験を聞く催しを行いました。

 終戦間際の昭和20年5月24日、520機のB29が襲来し荏原区(現品川区荏原地域)の約7割が全焼した。品川区民にもあまり知られていない、この空襲の体験を語り継いでいるのが「城南空襲を語り継ぐ会(中野登美 会長)」。当時の記憶を風化させまいと、毎年この時期にパネル展と体験談を語る会を催しています。

 今年の証言者は、小山在住の石井悌次郎さん(89歳)。中学3年生で建物疎開に従事した話や軍需工場に動員された体験、空襲の記憶を語ると、触発されたように参加者が次々と自身の記憶を話し出しました。

 当時3歳だったという女性は、空襲警報の音が今でも耳に残っていると言い、父親が荏原区役所の兵事係に勤務していたという男性は、父から聞いた話として、赤紙と死亡通知を配る当時の役人の心情を伝えました。

 また、商店主らが満州にわたった区広報DVD「いま聞いておきたいあの日-壊滅した商店街と満蒙開拓団(※1)」の上映も行い、映像を見た広瀬文江さん(89歳)は「満州へ渡ったまま帰ってこなかった近所のクリーニング屋さんを思い出しました」と話し、体験を語った石井さんは「戦争なんて、するものじゃあない。平和が長く続くことを願うばかりです」と訴えました。

 この日は、約30人が来場。中には当時の貴重な資料や写真(※2)を持参する方もいて、主催者である同会の西條さんは「ささやかな会だが、今後も伝えていくことを続けていきたい」と話しました。

※1 品川区公式チャンネルしながわネットTVで視聴可能(28分)https://www.youtube.com/watch?v=vnh-L838vpI&index=2&t=0s&list=PL8B-p11mIyo7jcd0xG_KB0FajHBBsfdui

※2 平塚町会 昭和19年に行った防火訓練での記念写真