春の気配 戸越公園でクロマツのこもはずし

更新日:平成30年2月27日

クロマツの菰はずし
わらをはずした幹も慎重に調べるはずしたわらの中も慎重に調べる散歩の親子が珍しそうに覗き込む
区立戸越公園で平成30年2月27日(火)、クロマツの「菰(こも)はずし」が行われました。

 菰はわらで作ったむしろのことで、菰はずしは、立冬の頃に松の木に巻きつけておいた菰を、虫が動き出す啓蟄(けいちつ)の頃に取り外し、中に入っていた害虫を駆除する作業です。啓蟄は二十四節気の一つで、土の中で冬ごもりをしていた虫が、暖かさに誘われて穴から出てくる頃という意味です。本年は3月6日が啓蟄ですが、3月に入ると直ぐに「春一番が吹く」との天気予報もあり本日菰はずしを行いました。

 戸越公園では、昨年11月7日に公園内にある35本のクロマツの木に菰巻きを行いました。虫は冬の間、寒さを避けようとわらの中で越冬しました。
 菰巻きから3カ月。春の暖かい日差しを受け菰はずしを行いました。わらの中には、松の葉を食べるマツカレハの幼虫マツケムシが越冬していたのが確認できました。菰をはずした後の松の樹皮の隙間にも害虫が隠れていないか、慎重に調べました。公園管理者は「今年は寒さが厳しかったのが原因でしょうか、例年より多くのマツケムシがいました」と話していました。丁度、戸越公園に散歩に訪れたという母子は、珍しい光景を物珍しそうに眺めていました。
 すべてのクロマツの菰をはずした後、マツケムシを食す益虫のヤニサシガメなどは木に戻し、害虫だけをわらと一緒に駆除しました。

 公園内では、春の日に誘われて、ジンチョウゲ、アセビ、ヒイラギナンテン等の春の花もつぼみを膨らませていました。菰はずしが終わると、本格的な春が間近に迫ったように感じられます。

(戸越公園)
住所:品川区豊町2-1
面積:18,255平方メートル
開園時間:終日開園(無休)
入園料:無料
特徴:肥後の国熊本藩藩主細川家の下屋敷跡を公園として整備。池を中心とした回遊式庭園で、大名式庭園の面影を残す区民の憩いの場です。
電話:03-3782-8819(公園管理詰所)
交通機関:東急大井町線戸越公園駅徒歩7分