台場小学校で子ども向け防災教育”防災サイコロ”授業を実施

更新日:令和3年11月22日

サイコロを振る児童
集中して話を聞く児童たち 講師の佐伯さん 災害の恐ろしさを映像で見る
プリントに考えたことを記入する 班ごとに話し合いを行う 災害の危険などをみんなで考える
話し合ったことを発表する女の子 みんなに対し意見を発表する男の子 子どもたちが記入したプリント

 子ども向け防災教育”防災サイコロ”授業が、令和3年11月22日(月)に台場小学校(東品川1-8-30)で実施され、4年生51人が取り組みました。

 ”防災サイコロ”は、公益社団法人 東京都理学療法士協会の板倉 尚子理事とエイブル山内株式会社の佐伯 潤 顧問らが考案。サイコロを振り、1の目なら下校中(学校の近く)、4の目なら家で一人で留守番中(夕方5時)など、出た目によって地震による被災時の状況をランダムに付与し、各状況における適切な対応を子どもたちに検討させることで、防災に関する主体的な視点の獲得を目指したものです。

 この日、特別講師として同校を訪れた佐伯さんは初めに、災害時に一番重要な心構えとして、”判断を早くすること”の大切さを説きました。「一人でいるときは、まず自分で考えて、自分の命を守らなければいけない」本職の先生さながらの佐伯さんの引き込まれる話し方に、子どもたちの表情も真剣そのもの。教室はいつもと少し違う雰囲気に包まれていました。

 続いて、子どもたちは4~5人のグループに分かれ、グループごとにサイコロを振り、与えられた状況の中で「まず何をすべきだろう」「近くの危険は何だろう」という設問に対し、話し合いながら意見をまとめていきました。3分と限られた時間での話し合いを終えたあと、グループの代表者がまとめた意見を発表。1の目(下校中)が出たグループの代表者が「まず学校に逃げ込み、屋上か周りに何もない場所を目指します」と話すと、佐伯さんは「それももちろん大切なことだけど、下校してすぐの時間なら、必ず学校に先生がいる。まずは信頼できる大人に助けを求めることも大事だよ」とアドバイスをしていました。

 全体の発表の後は、先生の助言やみんなの発表を参考にしながら、もう一度グループごとにサイコロを振り、別の状況での危険なことや気を付けるべきことについて、再度話し合いました。子どもたちは、一度目と比較して、具体的な危険とその対応についてより深く考えることができるようになっており、短い時間でも成長が見られました。

 佐伯さんは最後に「君たちが死んでしまったら、悲しむ人が大勢います。君たちの事を大切に思っている人が、周りにたくさんいるということを忘れないでください。災害に遭ったときも、”必ず生き延びる”という強い意志を持って、”素早い判断”で行動してください。そして、お家に帰ったら、家族の人たちに今日の授業の事を話して、みんなで災害に備えてくださいね」と語りかけ、特別授業は終了しました。

 授業を終えた子どもたちは「災害が起こらないようにすることはできないけど、備えることが大事だと思いました」「今まで考えたことがなかった話も多く、勉強になりました。今日の授業の内容を忘れずにしたいです」と、感想を話していました。