令和3年度 精神保健講演会 コロナ禍のメンタルヘルス~気づきあおう!心とからだのサイン~

更新日:令和3年11月22日

講師の高橋准教授 コロナについての講義中 メモを取る参加者

 令和3年度 精神保健講演会”コロナ禍のメンタルヘルス ~気づきあおう!心とからだのサイン~”が、令和3年11月22日(月)にスクエア荏原(荏原4-5-28)で行われました。

 長引く新型コロナウイルス感染症の蔓延とその対策の影響を受けて、不安やストレスなどを感じている方が多い昨今。ストレスにより自分たちの体にどのような変化が起こるのかを学び、ストレスへの対処方法などについて理解を深めてもらうことを目的に開催されました。

 講師を務めたのは、筑波大学 医学医療系 災害・地域精神医学の高橋 晶 准教授。高橋さんは昭和大学医学部の卒業生で、品川区のことを懐かしみながら講演をスタートしました。

 講演では、過去に日本を襲った災害の記録や東京都の災害想定から始まり、日本人は災害と共に生きてきたことを説明。続いて、災害時のこころの健康をテーマに、避難所生活の問題点や緊急事態に起こりうる精神障害について、専門的な用語をわかりやすく解説しながら講義しました。
 
 次に、新型コロナウイルス感染症とメンタルヘルスについて、今現在、私たちの身の回りで起こっている、コロナに起因するさまざまな悪影響を事例を挙げながら紹介。その中で、気を付けるべきことや持っておくべき心構えについて話すと、参加者はメモを取りながら聞き入っていました。
 
 高橋さんは「落ち込んで落ち込んで、どうしてもネガティブになってしまうことがあると思います。でも、そこで自分を責めずに、ネガティブになることもOKと自分を許してみてください。そして、少しずつポジティブな方向へ気持ちを持っていくようにしてください。人間は、災害後にこころが成長することもある生き物です。悪い面だけでなく、自分のこころの強い面も信じてあげてください」と参加者に明るく語り掛け、最後に「大変な状況ですが、お互いを支えあっている皆さまに、心から感謝を申し上げます。皆さまのご健康を何よりもお祈りしています」と講演を締めくくると、会場は大きな拍手に包まれました。