図書館認知症カフェ 4館合同事業講演会 実施

更新日:令和3年12月9日

会場引き
スライドを解説する先生 講師の宮本典子さん 資料を見る参加者
講座の様子 ロールプレイ「子供時代の遊び」と書いてあるスライド 自身の子供時代の遊びについて話す参加者

 品川区立図書館認知症カフェ実施4館合同事業講演会「高齢期の心の健康~住み慣れた町でいきいきと暮らすために~」が令和3年12月9日(木)、五反田文化センターで開催され、32人が参加しました。

 品川区では認知症になっても安心して暮らし続けられるまちづくりを進めています。その中で認知症カフェは、区立図書館や社会福祉法人などが認知症の人や家族、地域住民、医療や福祉の専門職の方など、誰もが気軽に集うことができる場として区内23カ所で実施。
 現在品川、荏原、八潮、五反田図書館では、すべての人が参加できる「憩いの場」、「居場所」、「交流の場」として毎月認知症カフェを開催しています。

 講師は高齢者の心理を専門にする臨床心理士・公認心理師の宮本典子さん。
 講義は「人生100年」という時代の背景、現在の高齢者の現状の解説から始まり、それを踏まえて現代を生きる高齢者の心の動きについて説明。参加者は大きくうなずいたり、自分自身にも経験があると笑顔になる様子が見られました。
 その後は高齢者に効果的な心療方法として様々な手法の回想法(※)を紹介。 回想法のロールプレイでは「子供時代の遊び」をテーマに参加者同士で話しあいました。話し出した最初はやや戸惑った様子でしたが、少しすると懐かしい思い出に花を咲かせ、大いに盛り上がっていました。
 最後はコロナ禍における心の危機を防ぐコツとして、「愚痴をこぼすこと」「情報を過度に取り入れないこと」などを話し、高齢期の心の健康を守るために緩やかな「人」、「地域」、「現在・過去・未来」のつながりを持つことを勧め、講義は終了しました。

 宮本さんは「今の高齢者は積極的で熱心。ぜひ図書館でのこのような取り組みを続けてほしい」と話しました。


※ 精神科医、ロバート・バトラー氏によって提唱された心理療法で、高齢者の回想(昔語り)をよい聞き手が傾聴することで、不安や抑うつの改善などを目指したものです