しながわ学びの杜 チャレンジ塾「感じるアート」を開催

更新日:令和4年8月4日

完成品を並べて記念撮影
石に願いを込めて 開場全体 石を選ぶ様子
粘土をこねる親子 作品を作成する手元 粘土に細工を施す3人の参加者
講師の宮原さん 作品鑑賞会の様子 鑑賞会で感想を述べる宮原講師
 しながわ学びの杜 チャレンジ塾「感じるアート」を、令和4年8月4日(木)、中小企業センター(西品川1-28-3)で開催しました。

 これは、区内の文化センター・大学・史跡などを学び舎として、あらゆる世代の方々に多彩な生涯学習講座を提供する「しながわ学びの杜」の講座のひとつとして実施。チャレンジ塾は知的障害のある方を対象としており、自分の感じたことを自由に表現していただく講座です。

 今年度開設したチャレンジ塾は「感じるアート」と題し、令和4年6月から12月まで全12回を実施。講師は日本臨床美術協会資格認定会員で臨床美術士の宮原美香先生。臨床美術とは、上手も下手もなく、誰もが楽しみながら表現するアートのひとつです。独自のアプローチで、五感をフルに使った創作活動を行うことにより、脳が活性化し、心が解放されていきます。認知症の症状改善を目的として始まりましたが、今では子どもから社会人、高齢者まで、様々な方々に実施されています。創作活動中は臨床美術士が一人ひとりの参加者に寄り添った働きかけを行い、意欲や潜在能力、感性を引き出します。

 第5回目の今回は、「土偶づくり」です。参加者は7人。初めに土偶の中に入れる石を選びました。大きい石、白い石、四角い石、色も形も大きさも様々な石の中から、自分がコレと決めた石を選び、しっかり握りしめ、願いを込めます。その後、その石を粘土の中に埋め込み、自由な発想で形を作っていきます。講師から、粘土は好きな量を使用してください。石は埋め込んでも、見えていても構いません。土偶は人型であることが多いのですが、こだわる必要はありません。好きな形に作りましょうと、アドバイスがあり、参加者たちは思い思いに粘土をこね、形を作っていきます。作っては壊し、壊してはまた作りと、皆さん真剣な表情で粘土をこねていました。お気に入りのアルパカのぬいぐるみをモデルにする人、チョコレートケーキを作る人、ウサギをモチーフにした人。1時間30分後、それぞれの思いのこもった作品が出来上がりました。
 最後は教室の中央の机に全員の作品を集め、台紙に乗せたりグリーンを添えたりして展示し、みんなで観賞会を行います。講師の宮原先生が、参加者一人ひとりの作品を見て個性的なところや素晴らしいところを述べます。また、製作者に作品への思いや大変だったところなどを聞き、他の参加者の感想などを引き出していました。

 講師の宮原さんは「参加者の皆さんが、良い悪いではなく自由に思ったことを、好きなようにできるということが大切。誰にもコントロールされず、否定されず、感性のままにやりたいことをやり、同伴者も一緒に楽しむことが必要。もちろん、やらない自由もある。今回の講座は作品として残るので、家に帰ってからも作品を見ながら家族で会話ができることもいいところだと思います」と話していました。