令和4年度ボランティア養成講座 要約筆記啓発講座を実施

更新日:令和4年11月4日

会場の様子
講師の小島さん メモを取る男性 講師の話を要約筆記するスタッフ
聴覚障害者とのコミュニケーションについて説明する小島さん 真剣な表情で話を聞く参加者 資料を読む女性


 要約筆記啓発講座が、品川区立心身障害者福祉会館(旗の台5-2-2)で令和4年11月4日(金)から始まりました。

 この講座は、聴覚障害者福祉の啓発や、障害者に理解のある支援者を養成するために、品川区障害者地域活動支援センター「逢(あえる)」が主催。中途失聴・難聴者への理解を深め、聴覚障害に関する制度などを学び、聴覚障害者が住みやすい社会づくりの一助になることを目的としています。

 講座は全4回で、初回のこの日は、認定NPO法人 東京都中途失聴・難聴者協会の小島 敦子 副理事長が講師を務めました。

 はじめに、小島さんが自身の聴覚障害について説明。小学生の頃から聞こえにくいという自覚はあり、20代でさらに聴力が低下し、40代のときに聴力を全て失ったという小島さん。「大人になってから聴力を失った人は、普通に話すことができるので、周りの理解が得られにくく、誤解を与えることも多かったです」と話し、現在に至るまでの生活での困りごとや、障害とどう向き合ってきたかについて話しました。

 また、聴覚障害の種類や聴力レベル、障害者手帳等級について、耳の構造などについて、イラストを用いながら解説。受講者はメモを取りながら真剣に耳を傾けていました。

 会場には3人の東京手話通訳等派遣センター登録要約筆記者が入り、小島さんが話した内容の要約筆記を実践。会場前方のスクリーンに、早く・正確に・読みやすい字が次々に映し出されていました。

 最後に、聴覚障害者とのコミュニケーションのポイントなどについて話し、この日の講座は終了しました。
 小島さんは「聴力を失って絶望しているときに参加した手話講習会で、初めて要約筆記を見たときに、ボロボロと泣いてしまうくらい感動し、気持ちが救われたことを鮮明に覚えています。ここにいる皆さんの、障害者を支援したいという気持ちが、何かしらの形になってくれるとを切に願っています」と受講者に語りかけていました。

 受講者は「手話の講座には参加したことがあるのですが、他にも何かできることがないかと思い受講しました。聴覚障害者の方が普段どのように感じているのかなどがとてもよく分かりました。残り3回の講座もしっかり受講したいと思います」と話していました。