結核について

更新日:令和5年7月3日

結核とは

結核は日本の重大な感染症です
結核は「現代」の病気です。

日本では年間約13,000人が新たに結核を発病しており、約2,000人が亡くなっています。

この死亡者数は新型コロナウイルス感染症で亡くなった方、感染性胃腸炎で亡くなった方に次いで、

感染症による死因の3番目で、結核は今でも重大な感染症です。

最近では働き盛り世代の発病や、施設での集団発生が問題となっています。


品川の結核の現状


令和2年に新たに結核の診断を受けた人は80人です。

結核罹患率(人口10万人あたりの患者数)は、令和2年は12.5%でした。
新規登録患者数および罹患率(人口10万対)の年次推移(2011-2020)(PDF : 91KB)

年齢別では、70代以上の高齢者に多くみられます。
年齢階層別累積患者数(品川区 2018-2020)(PDF : 64KB)


結核について理解しましょう
   結核について正しい知識を持つことにより、結核予防や集団発生予防が可能になります。

結核の原因はなんですか?
結核は「結核菌」という細菌を吸い込むことによって人から人にうつる感染症です。
結核はどのような症状ですか?
結核の症状は、咳や微熱、痰などかぜのような症状が2週間以上続いたりするのが特徴です。
また、体重が減る、寝汗をかく、食欲がない、胸が痛い、息切れがするなどの症状もあります。
上記のような症状がありましたら、すぐに医療機関を受診しましょう。

結核はどのように感染しますか?
結核を発病している人が、せきやくしゃみなどをすることで、体の外に「結核菌」をしぶき(飛まつ)とともに出します。
このしぶきを出すことを「排菌」といいます。
しぶきが乾燥して「結核菌」が空気中に漂っていることもあります。
その菌を他の人が吸い込むことによって「感染」します。
感染したら必ず発病しますか?
体内に結核菌がいる状態を「感染」といいます。
そして、せきや痰、発熱など症状が出てくると「発病」となります。
「感染」した全員の方が「発病」するわけではありません。
感染した人が発病する確率は、5~10%といわれています。
「発病」しても体の外に菌を出して(=排菌して)いなければ、周囲の人に感染させることはありません。
潜伏期間はどのくらいですか?
結核は潜伏期間が長いため、感染してもすぐには発病しません。
発病するまでの期間は個人によって異なりますが、発病者のうち60%くらいの方が、1年以内に発病しています。


結核と診断されたら
自分が結核と診断された場合、どうしたらいいですか?
病気の状況によっては、周囲の人に感染させる場合もあるので、
医療機関や保健所の説明を聴き、指示に従いましょう。

家族・友人・知り合いの検査は必要ですか?
周囲の人に感染させる可能性や、他にも発病者がいる可能性がある場合、
保健所が病状の確認や、他の方との接触状況などをお聞きし、健診計画を立てたうえで実施します。
健康診断を実施する場合は、結核菌の増殖には時間がかかる為、通常、診断されてから1~2カ月後くらいになります。

結核は治る病気ですか?
きちんと薬を内服すれば治ります。
治療途中で薬を飲むのをやめたり、指示通りに薬を飲まないと、結核菌が薬に抵抗力(耐性)を持つ可能性があります。
そうなると、治療期間が長くなるなど治療が難しくなります。
治療終了まで、医師の指示を守ってきちんと内服を続けることが最も重要です。

結核はどのように治療しますか?
内服治療が基本となります。3~4種類の薬を服用します。
治療期間は6カ月~9カ月となりますが、病状や経過によって長くなることもあります。

治療するために入院することになりますか?
体の外に結核菌を出している(排菌している)場合は、周囲の人に感染させる可能性があります。
したがって、排菌が収まるまで入院して治療しなければなりません。
体の外に菌を出していない場合には通院での治療が可能です。

治療費用について助成制度はありますか?
結核治療については、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下感染症法という)
による公費負担制度があります。
詳細については、結核医療費の公費負担制度の項目で確認してください。

本人が使用していた食器や布団などや自宅の消毒は必要ですか?
結核菌は紫外線に弱く、直射日光にされされると死んでしまうため特別な消毒は必要ありません。
また、食器、布団などからうつることはありません。
気になる場合は、室内の空気をこまめに入れかえてください。

「結核」を早期発見するために

早めに受診しましょう -かぜと間違えて結核の発見が遅れる場合があります-

結核は、咳・たんが出る以外に、微熱が続く・食欲がない・体重が急に減るなどの症状があります。

2週間以上の咳が続く・体重減少が続く・体が異常にだるい・呼吸が苦しいなど、症状が続く場合は結核を疑い、

医療機関で胸部エックス線写真を撮ってもらいましょう。

また、咳があるときは、周囲への感染を予防するためにマスクをして受診しましょう。


年1回の健康診断を受けましょう -自覚症状がなくても結核が発見される場合があります-

自分自身の健康を守るため、また、家族、友人、同僚などへの感染を防ぐためにも、

早期発見のため年に1回は定期健康診断(胸部エックス線検査)を受けましょう。

また、精密検査等の指示を受けた場合には必ず検査を受けるようにしましょう。

65才以上の区民の方は、区内契約医療機関で年1回「結核検診」を無料で受けられます。

契約医療機関は下記一覧表で確認できます。

品川地区
品川区健診実施医療機関一覧(品川地域)(PDF : 190KB)

荏原地区
品川区健診実施医療機関一覧(荏原地域)(PDF : 142KB)


咳(せき)が2週間以上続くなど症状がある場合は、定期健診を待たず、すぐに医療機関を受診してください。



健康管理に注意しましょう

疲れやストレス等で免疫力が低下すると発病しやすくなります。

十分な睡眠、バランスのとれた食事、規則正しい生活、適度な運動を心がけましょう。


咳エチケットを実施しましょう -周囲の人への感染を予防できます-

咳が出ている場合には、マスクをすることで周囲の人に感染広げるのを防ぐことができます。

咳エチケット(.pdf、38.6KB)


乳児には、予防接種(BCG)を受けさせましょう

満1歳の誕生日の前日まで定期予防接種として実施しています。
効果は10~15年程度で、小児の重症結核予防が期待されています。


施設や会社で結核の患者さんが出た場合には

どこに連絡をすればいいですか?
品川区保健所 保健予防課 感染症対策係 03-5742-9153
必ず連絡をしなくてはいけませんか?
ご連絡をお願いいたします。
必要に応じて感染症法第15条および17条に基づき、施設・職場の環境調査および発病した方との接触者の健康診断を行います。
健康診断を希望している社員がいますが、保健所で検査ができますか?
検査対象者および健診場所は、環境調査等の結果で保健所が判断します。
健康診断は何を調べますか?
年齢や発病患者さんとの接触状況によって、検査内容が異なります。
血液検査(QFT検査・T-SPOT検査)や胸部エックス線検査、ツベルクリン検査を行います。
検査を実施する時期は、結核菌の増殖には時間がかかる為、通常1~2カ月後くらいになります。
検査費用はかかりますか?
感染症法第17条に基づく健康診断のため、検査費用は無料となります。
社員の中で不安が広がっています。結核にについて説明してもらえますか?
ご要望に応じて、職員や社員、施設等の利用者の皆様向けに結核について説明いたします。

結核医療費の公費負担制度

結核で通院および入院する方の医療費を公費で負担します。

対象となる方

結核と診断され、治療を受けられる方(潜在性結核感染症を含む)


手続方法

医療費助成の申請をされる方は、保健予防課感染症対策係へ申請書等を提出して下さい。

入院治療の場合には入院勧告を受けて入院した日から公費負担になります。

 ・入院の医療費公費負担申請書(PDF : 37KB)

通院治療の場合は申請書を保健所で受理した日から公費負担になります。

 ・結核医療費公費負担申請書(37条の2) A3で印刷(PDF : 166KB)


助成される医療費

(1)通院患者

結核医療に必要な費用の100分の95までは保険者と公費で負担され、100分の5は自己負担となります。

ただし、国民健康保険・社会保険・後期高齢者医療制度に加入し、住民税非課税の方については

自己負担がなくなりますので、申請時にお申し出ください。


(2)入院患者

結核をまん延させるおそれがある場合、保健所長は指定医療機関への本人の入院を勧告することができます。

入院治療に要する医療費は原則として全額公費負担されます。

ただし、世帯の収入により費用の一部を負担していただくことがあります。

  *詳しい内容については感染症対策係へお問い合わせ下さい。

関連PDFファイル



・結核医療費公費負担申請書(37条の2)(医療機関用) A3で印刷(PDF : 166KB)

・入院の医療費公費負担申請書(申請者用)(PDF : 37KB)

・入退院結核患者届出票(医療機関用)(PDF : 74KB)

・医療機関変更届(PDF : 34KB)

・医療費助成変更届(PDF : 25KB)



結核と診断した医師の方へ(医師の届出義務)


感染症法第12条の規定に基づき、結核と診断した場合、医師は直ちに最寄の保健所に届出をして下さい。

品川区の場合は、直ちに保健予防課感染症対策係に電話(03-5742-9153)の上、

発生届を03-5742-9158までFAXをして下さい。

患者の不利益とならないよう、即日にFAXしてください。


届出基準と様式 

 ・届出基準(PDF : 132KB)

 ・結核発生届(PDF : 83KB)
 

平日夜間および休日に診断した場合は、東京都保健医療情報センター(ひまわり医療機関専用ダイヤル03-5272-0326)まで

電話連絡し、その後結核発生届を品川区保健所までFAX(03-5742-9158)してください。

また、結核(潜在性結核感染症を含む)医療費の公費負担の開始は、

保健所が結核医療費公費負担申請書を受理した日(保健所にFAXが届いた日)からとなります。

こちらも患者の不利益とならないよう、即日にFAXしてください。

なお、結核医療費公費負担申請書の原本および胸部レントゲンのデータは別途郵送してください。

 ・結核医療費公費負担申請書(37条の2) A3で印刷(PDF : 166KB)



病院の管理者は、結核患者が入院または退院した時は、感染症法第53条の11の規定に基づき、

入退院結核患者届出票を7日以内に保健所へ届出してください。

 ・入退院結核患者届出票(PDF : 74KB)



結核定期健康診断について


学校、医療機関、助産所、介護老人保健施設、社会福祉施設等は、感染症法第53条の2の規定により

1年に1回、結核の定期健康診断を実施し、健診実績の報告が義務付けられているため、

実施状況の報告をお願いします。


実施者・対象施設・健診対象

健康診断の
実施者
対象施設  対象者 実施時期
事業者 学校(専修学校および各種学校を含み、幼稚園を除く)、
病院、診療所、歯科診療所、助産所、介護老人保健施設、
社会福祉施設(※) 
従事者 毎年
学校長 大学(短期大学、大学院を含む)、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校(修業年限が1年未満のものを除く) 学生または
生徒
入学した年
編入した年
施設長 社会福祉施設(※) 65歳以上の
入所者
毎年


※ 社会福祉施設

 ア 生活保護法関係     救護施設、更生施設
 イ 老人福祉法関係     養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム
 ウ 障害者総合支援法関係  障害者支援施設
 エ 売春防止法関係     婦人保護施設

実施方法

・結核を発病しているかどうかを胸部エックス線で調べます。
・必要に応じて、結核菌を排菌しているかどうかを喀痰(かくたん)検査で調べます。
・感染症法に基づく健診を受診しなくても、その対象者が他の機会に胸部エックス線検査等を
 受診し、その結果を管理者が把握している場合には、定期結核健診を受診したとみなせます。
・喀痰(かくたん)検査以外の検査には、CT検査、IGRA(QFTまたはT-SPOT)
 血液検査等があります。


 ・結核健康診断報告書(PDF : 67KB)

 ・結核健康診断報告書(記入例)(PDF : 89KB)



結核指定医療機関手続きについて

病院・診療所・薬局が結核公費負担医療を行うには、結核指定医療機関の指定を受ける必要があります。

また、指定の辞退や変更についても手続きが必要です。

詳細や各様式については、下記の結核指定医療機関指定申請書をご覧ください。

結核に関する情報(リンク)

*結核についてわからないことや心配なことがありましたら感染症対策係にご相談ください。
お問い合わせ

保健予防課 感染症対策係
  電話:03-5742-9153
  FAX:03-5742-9158