人権に関する動き

更新日:令和4年3月18日

 21世紀は「人権の世紀」といわれています。先の2度にわたる世界大戦の反省から、世界人権宣言が国際連合で採択されて50年以上が経ちました。その後、国連では、「人権のないところに平和は存在しない」「平和のないところに人権は存在しない」という理念のもと、多くの人権に関わる条約を採択しています。また、1994年には、1995年から10年間を「人権教育のための国連10年」と決議し、人権教育を広く深めることを宣言しました。
 一方、国内では、この宣言を受けて、1997年に「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画を取りまとめ国内に依然として存在する様々な人権問題の解決に向けた取り組みをあらゆる場を通じて積極的に行うとしています。
1997年に施行された人権擁護施策推進法に基づき設置された「人権擁護推審議会」の答申に基づき2000年12月には、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が公布・施行されました。また、1999年には、「男女共同参画社会基本法」が制定・施行され、2016年4月には「女性活躍推進法」も施行されました。
なお、人権が侵害された場合における被害者の救済に関する「人権擁護法」については、第154通常国会・第155臨時国会・第156通常国会の3期にわたり審議されましたが、2013年10月の衆議院解散により廃案となりました。
その後2016年に「障害者差別解消法」、「ヘイトスピーチ解消法」、「部落差別解消推進法」が、2019年に「アイヌ施策推進法」が施行されました。
東京都においては、1998年に、人権問題に的確に対応するため、組織の整備を図り、2000年4月には、東京都男女平等参画基本条例が施行されたほか、人権施策推進のための指針を策定しました。この指針は見直され、2015年8月に新たな「東京都人権施策推進指針」が策定されるなど、今日まで、あらゆる分野で人権教育・啓発の取り組みが着実に進められています。
区では、このような動向を踏まえて人権啓発につとめているところです。

人権行政機関リンク集

首相官邸「人権教育のための国連10年推進本部

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「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画の進捗状況

法務省人権擁護局

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国民の基本的人権を擁護するため設置されている国の機関 (東京法務局・東京都人権啓発活動ネットワーク協議会はこちら)(別ウインドウ表示)

人権啓発活動ネットワーク協議会

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法務局・地方法務局、都道府県人権擁護委員連合会及び都道府県等により構成された協議会

内閣府男女共同参画局

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男女共同参画社会に関する国の施策、国際的な動向、各種調査・統計資料など

財団法人 人権教育啓発推進センター

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法務省、文部科学省、総務省の共管する財団法人

東京都公式ホームページ

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人権の項目からは「東京都人権施策推進指針」「男女平等参画のための東京都行動計画」などが見ることができる。

財団法人 東京都人権啓発センター

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同和問題をはじめとする人権全般に関する普及啓発・相談等各種の事業を行う都の財団

東京ウィメンズプラザ

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豊かで平和な男女平等社会の実現をめざす東京都の直営施設

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世界人権宣言と国際人権規約

世界人権宣言とは

国際連合は、「人権の無視及び軽侮が人類の良心を踏みにじった野蛮行為をもたらした」という第二次世界大戦に対する反省の中から、「差別を撒廃し、人権を確立することが世界の恒久平和を実現することに通じる」という点に着目しました。
このような経緯のもとに、1948年12月、パリで開催された第3回国連総会で「世界人権宣言」が採択されました。
宣言は前文と30カ条から構成され、生命・身体の安全その他多くの基本的人権についての基準を示し、「これらの人権がどのような形であっても差別を受けることなしに享受できるようにすべきである」と述べています。

国際人権規約

世界人権宣言は、国際社会において人権尊重の流れを大きく前進させてきました。しかし、世界人権宣言は道義的な努カ目標をうたったにすぎない弱点を持っていました。
そこで、1966年12月、国際人権規約が国連総会で採択されました。この規約は、条約として法的拘束カをもつもので、これを批准した各国には各条項を守る義務があり、守らないことは国際的にも許されないことなのです。 「国際人権規約」には、A規約とB規約があります。
A規約は、「経済的、社会的及び文化的権利に関するもの」で、労働条件、労働組合、社会保障、家庭の保護、健康、教育と文化生活等に関する権利の確保を、政府に義務づけています。
B規約は、「市民的及び政治的権利に関するもの」で、移動の自由、法の下の平等、思想・信条の自由、集会・結社の自由、プライバシー、名誉及び信用の尊重を図ったものです。
日本では、1979年に一部留保はしながらも、この規約を批准しました。「人権の擁護・尊重」を世界に向け約束したわけですから、あらゆる差別の解消に向け、政府は努カする義務を負っています。

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人種差別撤廃条約

悲惨な世界大戦を二度にわたって経験した人類は、平和と人権尊重の大切さを学びました。
しかし、私たちの平和への願いにもかかわらず、世界の各地で地域紛争が今なお起き、人権が侵害され、多くの人々の命が奪われています。
戦後わが国は、国際社会の一員として国際連合に加盟し、平和と人権を確立していくための諸活動に参加をしています。1965年の第20回国連総会で採択された「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」(人種差別撤廃条約)に1995年12月15日(1996年1月14日に我が国について効力が発生)、加入したのもそのあらわれです。
この条約の精神は、前文やその2年前に制定された「人種差別撤廃宣言」に以下のように述べられています。

  1. いかなる意味においても人種差別は科学的に合理化できないこと
  2. 入種差別を放置すれば戦争に至ること
  3. 差別は、差別されている人だけでなく、差別している人の人間性をも損なうこと

日本ではまだ多くの人がこの条約を身近なものとして感じていないようですが、わが国においても、アイヌ民族に対する差別や“外国人お断り”の貼り紙等、民族・人種・国籍による雇用差別や入居拒否等の問題があり、私たちにも決して無関係のことではありません。
また、同和問題をはじめとして、女性、障害者、高齢者、エイズ差別などの人権問題も依然として末解決の課題として残されている現状もあります。
そのことは、この条約の批准にあたり外務委員会で採択された決議の提案理由に「わが国として、今後とも国際人権の促進に寄与していく決意を明らかにするとともに、わが国に存在する部落問題やアイヌ問題、定住外国人問題など、あらゆる差別の撤廃にむけて、引き続き努力を重ねていくことが肝要である」とはっきりとうたわれています。
この条約に加入したことで、日本は国際社会に向かって「あらゆる差別をなくす決意」を明確に約束したことになりますが、私たち一人ひとりにもまた、日常生活のなかで、出身や肌の色に左右されることなく、人種差別につながる偏見と戦い、多様な価値観を認めあって共存し、ともに基本的人権を認めあって暮らす社会を作っていくことが求められていると言えます。
そうしてはじめて、憲法の前文でうたっている「国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う」という言葉を実現することになっていくのではないでしょうか。

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国連人権教育の10年

国連人権教育の10年

1994年12月、国際連合総会において、1995年~2005年を「国連人権教育の10年」とすることが宣言され、「10年の行動計画」が定められました。この行動計画には、注目すべき次の3つの重要な点があります。

  1. 一人ひとりの人権意識を育むというだけでなく、「人権文化」を創造し、これで世界を満たそうとしていること
  2. 学校教育はもちろんのこと、教育委員会などによる公的社会教育、文化行政、企業がおこなっている企業内教育、テレビやマス・メディアなど、すべての教育の分野で人権を考えていくこと
  3. 人権についての知識と同時に、その知識を行動に移すための方法や訓練(技能=スキル)、異なるものに対する柔軟な姿勢(態度)を身につけていくことが求められていること。 また、人権教育を進めていくうえで、女性、子ども、先住民族、マイノリティ、障害者、非識字者などの社会的に弱い立場に置かれている人々を重視すること

まさに21世紀に向けて、「人権」が国際社会の最大の関心事であり、地球規模での「人権尊重」社会の実現を目指していることを示したものです。
「10年」の取り組みに関して、わが国においても、人権教育プログラムの公教育への導入をはじめとする国の行動計画の策定など、具体的戦略が求められています。

 

人権文化を築く

ところで、「人権文化」と言うと何かむずかしいことのようですが、「文化」とは、芸術や建造物だけでなく、私たちが、日常の生活の中で何気なくしている行動や趣味、感じ方などのことです。例えば、「生活の上における畳の上での寝起きにはじまり、魚を焼いたり、“さしみ”にすることなどの食生活の仕方、職場における同僚とのつきあい方や庶民にある判官びいきという感情などの事だと思えば良いでしよう。
ですから、「人権文化」とは、こうした人間のすべての営みのなかに、人権の視点を取り入れていくことにより、「人権文化」を世界中に築こうとするものだと言えます。
日本は、情報は受信するが発信はしないとよく言われます。私たちのまわりにある様々な活動をとおして、自分たちのメッセージを発信し、日本文化のアイデンティティを大事にしながら、他のアイデンティティとつながっていくことが大切です。

 

自分らしくありたい

人はだれしも、誇りを持って生きたい、自分らしくありたいと考えています。そのもとには、自分が素直に好きだという気持ち、自分が生きる値打ちのある人間と思える気持ち、自分を大切に思う感情があります。人権を考えていくうえで、こうした気持ちは重要です。なぜなら、本当に自分を大切にすることのできない人には、他人のことを大切に思う気持ちも育ちにくいからです。

自分が自分らしくありたいと願う気持ちは、また、他の人も同様に考えているはずです。自分に自信を持って、多様な人々が自分らしく生きていくために、共に認めあい、協カしあっていくことが、差別のない人権が尊重された開かれた日本、真に国際化された日本をつくっていくことにつながります。

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人権問題解決への大きな前進

人権擁護施策推進法・人権教育啓発法

1996年12月17日、国会で、「人権擁護施策推進法」が成立しました。
わが国の人権に関する意識は年々高くなってきていることは事実ですが、合理的根拠のない言い伝えや伝聞を無条件に信じてしまう因習、行列への割り込みや弱者に対して何気なくしてしまう言動や他人を傷つけていることも気がつかない人々など、まだまだ生活のすみずみにおいて人権感覚が生かされているとはいえません。その結果、人権が侵害されてもその対処方法がわからずに、泣き寝入りとなってしまうケースが多いことが各種の調査で示されています。場合によっては、自分の人権が侵害されていることさえ気がつかないケースすら見受けられることがあります。
また、こうした人権侵害に対し対処すべき人権擁護委員制度も権限や救済方法に実効性がないことなどから、良識ある多くの人権擁護委員の努力にもかかわらず、有効に機能しているとはいえません。定員も一度も満たされたことがなく、極めて不十分な制度でした。
こうした問題点を解決するため、環境基本法のように、人権についての基本となるような法律の制定が求められ、多くの人々の努カにより「人権擁護施策推進法」が成立しました。
この法律に基づき審議会がつくられ、2000年には「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が公布・施行され、その後2016年に「障害者差別解消法」、「ヘイトスピーチ解消法」、「部落差別解消推進法」、2019年に「アイヌ施策推進法」が施行されました。なお、人権侵害に対する救済などについての「人権擁護法案」は廃案となりました。
人権問題の大きな前進を目指す法改正などが進んできています。私たちは自分の問題として、これまで以上に注目していく必要があります。

お問い合わせ

人権啓発課
 電話:03-3763-5391
 FAX:03-3768-5092