品川区ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を実現するための条例

更新日:令和6年4月1日

誰もが生きがいを感じ、自分らしく生きられる品川

品川区では、すべての人が性別や性的指向、ジェンダーアイデンティティにかかわらず、誰もが自分らしく生きられる「ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会」の実現をめざしています。
  
区がめざす社会の実現に向け、区の施策を総合的かつ計画的に推進するための基本理念などを定め、区民や事業者、教育関係者の皆様と一緒に取り組みを進めていくための指針となる条例を定めました(令和6年4月1日施行。一部規定については、令和6年7月1日施行)。区にかかわる多くの方とともに取り組むことで様々な生活の場面での困難や生きづらさの解消につなげていくことができます。
性別等にかかわらず、一人ひとりがその人らしさを発揮しながら、互いに尊重し合い、誰もが自分らしく生きられる社会の実現に向けて、皆様のご理解ご協力が必要です。

ジェンダー平等とは

一人ひとりが性別にかかわらず、平等に責任や権利、機会を分かち合い、あらゆる物事を一緒に決められることを意味しています。 「男だから」「女だから」という理由で、生き方や働き方の選択肢が決められてしまうことがあり、これらをなくしていくことが、ジェンダー平等につながります。

SDGsとジェンダー平等 ~ジェンダー平等は重要な課題~
SDGsは、人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに世界中のすべての国や人が協力して達成すべき目標です。17の目標の中には、女性に関する人権、自然環境を守るものなどがありますが、「ジェンダー平等の実現」は、5番の目標として掲げられていて、SDGsのすべての目標を進めるうえで欠かせない、重要な取り組みになっています。

性の多様性とは

性のあり方は多様です。性はからだの性、こころの性、好きになる性、表現する性などさまざまな要素で構成されていて、一人ひとり違います。性の多様性をお互いに認め合い、尊重していくことが大切です。

性別等とは
性は、出生時に判定されたからだの性だけでなく、恋愛感情がどの性に向いているかの性的指向、自分の性をどう捉えているかというジェンダーアイデンティティなどがあり、一人ひとりの性のあり方は多様です。条例では「性別等」と表現しています。

条例の特徴

区が目指す姿「ジェンダー平等と性の多様性を尊重しあう社会」(第2条第1項第1号 定義)
すべての人が、性別や性的指向、ジェンダーアイデンティティにかかわらず、
  • 自らの意思によって、社会のあらゆる分野に平等に参画できる社会
  • その個性と能力とを十分に発揮して、誰もが自分らしく生きられる社会
  • 多様な個人として尊重される社会
  • 差別や暴力を受けることのない社会
基本的な考え方(第3条 基本理念)
区と区民、事業者、教育関係者の皆様と一緒に取組んでいくジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会の実現に向け、9つの基本理念を掲げています。
  1. 人権侵害の根絶
    •  性別等に起因する差別、配偶者等暴力等、ハラスメントその他の性別等に起因する人権侵害が根絶されること。
  2. 多様な生き方の選択
    •  すべての人が、固定的な性別役割分担意識に基づく社会制度や慣行にとらわれることなく、その個性と能力を発揮し、自らの意思と責任において多様な生き方を選択できること。
  3. 平等な参画機会の確保
    •  すべての人が、性別等にかかわりなく、社会の平等な構成員として、あらゆる分野の活動方針の立案および決定に平等に参画する機会が確保されること。
  4. 生活と仕事、学び、地域活動の調和
    •  すべての人が、家事、子の養育、家族の介護その他の生活における活動および職場、学校、地域等における活動の調和が取れた暮らしを営むことができること。
  5. リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の尊重
    •  すべての人が、妊娠、出産等のリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を認め合い、生涯にわたり健康で自分らしい生き方を選択できること。
  6. ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を支える教育
    •  学校教育、社会教育その他の教育の場において、ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を支える意識の形成およびメディア・リテラシーの育成に向けた取組が行われること。
  7. 女性のエンパワーメント
    •  女性のエンパワーメントの推進により、女性が尊厳と誇りをもって自分自身の生活と人生を決定する権利を保障し、あらゆる参画の機会において、女性個人がもつ力を十分に発揮できること。
       ※エンパワーメント:その人の本来持つ能力を引き出し発揮できるようにすること
  8. 性的指向やジェンダーアイデンティティに起因する日常生活上の困難の解消
    •  すべての人の性的指向およびジェンダーアイデンティティが尊重され、性的指向およびジェンダーアイデンティティに起因する日常生活上の困難等が解消されること。
  9. 国際社会・国内での取組に対する理解・推進
    •  国際社会および国内におけるジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会の実現に係る取組を積極的に理解し、推進すること。

各主体の責務(第4.5.6.7条 区・区民等・教育関係者・事業者等の責務)
  • 区は、ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を実現するための施策を総合的かつ計画的に推進し、区民等・教育関係者・事業者等と協力してともに取り組んでいきます。
性別等を理由とする差別や人権侵害の禁止(第8条 禁止事項)
  • セクシャル・ハラスメントや妊娠、出産、育児または介護に関するハラスメント、DV(ドメスティックバイオレンス)などの性別等に起因する差別や人権侵害を行ってはいけません。
  • 個人の性的指向やジェンダーアイデンティティに関するカミングアウトの強制や禁止、アウティングなど性別等に起因する人権侵害を行ってはいけません。
    ※カミングアウト:性的マイノリティ当事者が自身の性的指向やジェンダーアイデンティティについて他者に伝えること
    ※アウティング:本人の同意なく、その人の性的指向やジェンダーアイデンティティに関する情報を第三者に暴露すること

区と区民、事業者、教育関係者の皆様とともに

私たちは、一人ひとり顔が違うように、性格や好きなこと、得意なことが違います。全く同じ人はいません。その「違い」がその人の個性であり、その人らしさでもあります。
性別等にかかわりなく、「自分らしく」「あなたらしく」を大切にしていきましょう。そして、周りの人の「自分らしさ」「その人らしさ」も尊重し合い大切にしましょう。
ジェンダーや性の多様性にかかわる課題はたくさんありますが、一人ひとりが自分のこととして考え、誰もが自分らしく生きられる「ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会」の実現を一緒にめざしていきましょう。

ジェンダー平等推進センター 

4月1日から男女共同参画センターはジェンダー平等推進センターに名称を改めました。
ジェンダー平等社会施策などを推進していくための拠点施設として、講演会や講座の開催、ジェンダー平等の推進にかかわる団体の活動支援、各種相談事業などに取り組んでいきます。

制定までの経過 

お問い合わせ

品川区ジェンダー平等推進センター(人権・ジェンダー平等推進課ジェンダー平等推進担当)
   品川区東大井5-18-1(きゅりあん3階)
 電話:03-5479-4104
   FAX:03-5479-4111