木造聖観世音菩薩立像

更新日:令和6年12月3日

木造聖観世音菩薩立像
              
                Web_彫刻3_木造聖観音菩薩立像.jpg

種別  有形文化財(彫刻)  
指定番号  第三号
所在地  東五反田1-2-29 宝塔寺
指定年月日  昭和56年2月12日
見学  不可
詳細  木像は干割の原因となる木心を除くために一木の素材をあらかじめ竪に割って荒彫して、像の内部を削り取ってから矧ぎ付けて仕上げる割矧という造像法を用いている。平安時代中期から鎌倉時代初期にかけて行われた方法である。本像では正中線で左右に割ってある。当初の垂下した右手、胸前で華瓶を持つ左手及び両足首は失われ、現在のものは光背・台座と共に後補である。彩色はほとんど落ちて素地をあらわし、像の表面はかなり風蝕し、虫喰の痕も見られる。
 本像は、大正の末年までは多摩川最下流の寺院にあり、後、転々としてから当寺の前住職の時に寄付され、本堂に安置されている。平安時代の一木造の仏像(平安仏)は、多摩川の上流から下流までに点々として現存するが、来歴についてそれらと系統付けられるものはない。しかし、本像は、時代的にみてかなり古いものであり、無名ではあるが、古仏像の分布を調べる上で貴重な存在である。
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