エコルとごしで世界環境デー記念講演「動物かんきょう会議 動物が語るSDGs」を実施

更新日:令和5年6月4日

講演会の様子 講師のイアン筒井さん 受講者の様子
ワークショップの様子 自分がなりきる動物を描く 画を描く参加者
動物の意見を発表する男の子 動物の意見を発表する女性 動物になりきって感想を記入

 世界環境デー記念講演「動物かんきょう会議 動物が語るSDGs」を、令和5年6月4日(日)に環境学習交流施設「エコルとごし」(豊町2-1-30)で開催しました。

 このイベントは、動物の視点になって社会の諸問題について考え、未来を生きる子どもたちに何をどう残していくべきかを考えることが目的。対話型ワークショップ形式で実施しました。
 講師はヌールエ デザイン総合研究所の筒井一郎 代表が務めました。筒井さんは、30年ほど前から絵本シリーズ「動物かんきょう会議」を手がけるクリエイティブディレクターでデザイナー。筒井さんが携わっているプロジェクト「せかい!動物かんきょう会議」では、「今、地球は大変なことになっている!もう、人間(おとな)だけにまかせちゃいられない!」という合言葉のもと、「動物の視点で地球を考える」活動に取り組んでいます。

 今回のワークショップでは、参加者それぞれがなりきる動物を決めて、その動物の目線で考えた意見を発表します。テーマは、”1年間の東京都民全員が食べる量に匹敵する量を食品ロスとしてゴミに出していること”と、”地球上の哺乳類は、人間が36%、家畜が60%に対し、野生動物は4%しかいないこと”の2つ。どちらか1つを選び、その動物たちの立場になって、人間のままでは言いづらいことなどを考えました。
 食品ロスの問題については、猫の視点で「何が足りないかを考えてから買い物に行っているのかな。動物は買い物に行かないよ」、カワセミの視点で「人間は狩りをせず、大変な思いをしていないから、もったいないとも思わず捨ててしまうのでは」といった意見が出ました。また、地球上の哺乳類で野生動物が少ないというテーマには、ハチの視点で「ハチの巣など、人間が動物のために作った家は、動物の維持にはなるけれど、共生と言えるのか。はちみつは人間に取られてしまうし…」という考えなどが発表され、参加者同士で共有しました。

 
 最後に、筒井さんが「テーマとした2つの課題はどちらも答えがありませんが、このような課題について考えるためには、子どもたちの自由な思考が大切です。私たち大人が子どもたちに答えを与えるのではなく、一緒に考えていくことが必要です」とワークショップをまとめました。
 
 参加した方は「環境問題について考えるイベントでは、今までなかったアプローチだと思いました。いろいろな立場から物事を見るというのがすごく大事だと思ったので、固定観念にとらわれずいろいろな観点を身につけ、私自身も子どもたちに何かを発信していく立場にもなれたらいいと思います」と感想を話していました。