部落差別(同和問題)の現状(就職差別、身元調査、結婚差別、言葉による差別)

更新日:令和4年6月23日

1.就職差別

採用は、本人の仕事に対する適正や能力で判断すべきものです。
採用する側が、同和地区出身者、障害者、父・母子家庭、外国人ということのみを理由に排除することは、職業選択の自由を保障した憲法にも反し許されることではありません。
これまでに、採用時に履歴書に本籍地や家族の職業を書かせたり、面接時に聞いたりする事例がありました。
さらに、企業が調査会社を通じて同和地区の出身かどうか調べる事件が1998年(平成10年)に大阪・東京で発覚するなど就職における差別がおきています。
新規高校卒業者の履歴書に全国高等学校統一用紙の使用を進めるなど改善されてきていますが、就職に関わる差別の事例がまったくなくなったわけではありません。

※6月は就職差別解消促進月間です
 東京都では、6月を「就職差別解消促進月間」と定め、就職差別をなくし、就職の機会均等を確保するため東京労働局及びハローワーク等と連携し啓発活動を実施しています。

2.身元調査

採用や結婚のとき、調査会社などを使って出身地や家族の状況を調べる事例があります。
このような身元調査は、部落差別(同和問題)につながる人権侵害となる可能性があります。本人の資質とは関係のない、また、本人にはどうすることもできない「生まれ」や「家庭環境」などで不採用になることは明らかに不合理なことです。結婚差別によって、差別された人が傷ついたり、時には尊い命を自ら絶つ場合もあるだけでなく、差別した人も自分の行為により結果的には愛する人を奪われ、自分自身も傷つくことになるのです。

身元調査は、調査を依頼する側だけでなく、調査に協力する側にも問題があります。
部落差別(同和問題)をはじめ、差別につながる可能性のある身元調査は「しない」「頼まない」、調査は「断わる」という姿勢が大切です。

3.結婚差別

結婚に際して、相手方が被差別部落出身であることを理由にして、婚約を解消されたり、結婚に反対する結婚差別は、部落差別(同和問題)の中でもっとも深刻な問題といえます。
結婚は、結婚かる二人の意思によるものであり、日本国憲法でもその権利と自由が保障されています。しかし、親や親戚の中には調査会社などを通じて相手が被差別部落区出身かどうかの身元調査をする例があります。

被差別部落出身者に対する偏見や差別意識から周囲が反対し、ふたりの意思が尊重されないことは許されないことです。

4.言葉による差別

普段、わたしたちが何気なく使っている「言葉」によって相手の人を悲しませたり、傷つけてしまうことがあります。
部落差別(同和問題)をはじめ、障害者問題、女性問題など、差別をなくそうという動きの中では、そのような「言葉」を見直そう、使わないようにしようという取り組みがされています。 それは、歴史的、社会的な過程のなかで生まれた差別的な諸関係(人種、性別、障害の有無、部落差別(同和問題)など)により、特定の人たちへの否定的な意味合いが深く結びついた言葉を、「不快語」「差別語、表現」として見直そうというものです。

しかし、このような差別的な言葉を使わないようにしようとか、言い換えることだけで良いわけではありません。
その言葉の意味や背景を正しく理解して、前後の文脈を含めて相手の立場を正確に理解しなければなりません。

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